子どもと楽しむチリモン

子どもたちに大人気のチリモンさがしですが、大人もかなりハマります。
子どもと大人が一緒にやることで、チリモンさがしの楽しさは倍増します。子どもたちと一緒にチリモンさがしをする時の、大人のためのチェックポイントはこちら。

これなに?をこわがらないで!

子どもたちは、すぐに「これなに?」って聞いてきます。大人なんだから、「これはね、○○だよ」って答えてあげないといけない、って思っていませんか?
もしかしたら子どもたちの「これなに?」は、「これが何であるか」を知りたくて言っているのではないかもしれません。
たとえば「これについて何でもいいから話をしたい」のだとすれば、「これ」の名前をあなたが知らなくても、「これ」についてのいろんな会話をしてあげられるのではないでしょうか。
「これなに?」って聞かれるのが嫌だな・・・と思う方は、以下を読んでみてください。

名前がわかったら興味がなくなる?

「これなに?」と聞いた子どもに、「これはタチウオだよ」と答えたとします。子どもたちは意外にも、「タチウオってどんな魚?」と聞いてくることは少ないのです。「そうか、タチウオか。わかった。じゃあ次の、これはなに?」となります。
タチウオを知っている子どもであれば、「あぁ、あのタチウオの赤ちゃんなんだ!」って理解できるかもしれませんが、タチウオを知らない子どもの方が圧倒的に多いのです。名前を確かめて覚えたとしても、それではタチウオを知ったことになるでしょうか?

まずは、それを見つけたことを認めてあげよう

「おー、いいの見つけたねー。」「○○ちゃんはこんなの見つけたのか。」とまずは認めてあげましょう。
子どもたちは、自分で見つけたものを見せたい時、見てもらいたい時にも、「これなに?」って言っちゃうのです。子どもの「自分がいいと思ったものを人に見せたい」という気持ちは、とても大切にして育ててあげなければなりません。
そのためにも、まずは「見つけたことを人に見せるのはいいことなんだよ」という思いを込めて、「見つけたんだね」と認めてあげましょう。

自分が思ったことを言ってあげよう

「このチリモン、長ぼそいね―。」「すごく長いねー。ヘビみたいなチリモンだねー。」「これって一番長いチリモンじゃない?」「どうしてこんなに長いんだろうね。」「真っ白できれいだねー。」「顔のところよーく見て。大きな歯があるよ。何食べてるんだろうねー。ヘビみたいに咬むのかな~?」「けっこうこわい顔してるねー。他のチリモンより怖い顔と思わない?」
・・・こんなふうに、見たらわかること、見たことから思ったことを、言葉にしてあげましょう。観察というのは、目に見えていることを言葉にして確認していくことが基本です。大人が興味を持って観察している間は、子どもは離れていかないものです。

名前を知っていても、時には名前を答えないこともあるよね

名前を自分で調べるプロセスはとても大切です。
もし、手元にチリモン図鑑があるのなら、子どもが自分で調べられるように促してあげましょう。図鑑で調べる時にこそ、「長い」「白い」「歯が鋭い」などの特徴がわかっていることが大切です。そういう手がかりをもとに、他のチリモンとの違いを把握し、同定していくという作業を、できるだけ子ども自身ができるようにしたいものです。
図鑑で調べる時には、いつ採れたか、どこで採れたか、他のどんな生き物と一緒にいるか、という情報も、手掛かりになります。絵あわせができる状況であれば、「どれに近いかなあ…」と一緒に探してあげましょう。

子どもが実感しやすい説明を

「エソはかまぼこの材料」とか「タチウオはこんなに大きい」とか「アイゴは英語でラビットフィッシュという」とか子どもたちがイメージしやすい説明をするように心がけましょう。
魚についての知識があるのは素晴らしいことですが、イメージできない説明は子どもたちをつまらない気持ちにさせてしまいます。余計なことは言わない方がましです。
また、大人が感心する話題と子どもが喜ぶ話題は全然違いますので、自己満足な説明にならないようにしましょう。逆に、子どもがその魚について知っていることはどんどん口に出してもらい、子どもから教えてもらう気持ちで聞いてあげてください。

めずらしいチリモン

チリモンの中には、いつでもたくさん見つかる種類から、めったに見つからない珍しい種類までいろいろあります。めずらしいものは「レアなチリモン」とか「レア度が高い」とか言って特別扱いされることがあります。
でもそれは、自然界で珍しいとか貴重だということではありません。チリメンジャコに混じりやすいか、混じりにくいかは、知識として何かの役に立つわけでもなさそうです。
「これ、初めて見たわー」「図鑑にも載っていない新発見とちがう?」と発見の喜びを共有することは、子どもたちにもっと探そうという動機づけを与えるでしょう。でも、珍しいものの価値が高く、ありふれたものの価値が低いという捉え方をさせないように心掛けたいものです。

このページの一番上へ